ROUND
TABLE TALK
DX x ブライダル
DXでブライダル業務の
進化を図るIKK
IKKでは近年、グループ全体でDX(デジタルトランスフォーメーション)を通じたさまざまな業務改革を進めています。新システムを使ったブライダル業務効率化の取り組み内容や効果について、システム部長とウェディングプランナーの2人に伺いました。
Profile
小田 豊
アイ・ケイ・ケイホールディングス(株)取締役
兼 システム部 部長
2020年入社
赤坂 春奈
アイ・ケイ・ケイ(株)営業企画部
ウェディングプランナー チーフリーダー
2014年入社
Talk Session 1.
システム導入の
経緯について
ブライダル業務において新システムの活用がスタートしたのはいつ頃からでしょうか。
小田
私がIKKに入社した2020年に社内すべての業務効率化を図るDX、すなわち各業務システムの内製化と新規構築に一斉に乗り出しまして、その一貫としてブライダル用のシステムを組み上げたのが2021年の秋頃です。その後、使い方が現場で働く社員に定着するまではもう少し時間を要しましたね。
赤坂
各支店で本格的な運用が始まったのは2022年だったと思います。
ウェディング関連のどのような仕事をシステム化されたのですか。
小田
ブライダルの現場にはプロデューサーやプランナー、スタイリスト、サービスクリエイターなどさまざまな社員が携わっており、どの職種も非常に多くの物品や情報のやり取りがあります。例えば、外注先への式場に飾る花や引き出物の見積り依頼から発注、納品、またお客さまとの挙式当日までの打ち合わせや記録のやり取りなど。そうした一連の業務全体をシステムでつなげて、アプリで双方向に利用できるようにしました。
赤坂
それまではずっと、結婚式参加者の席次表をお客さまから紙に書いてもらったり、引き出物の商品はカタログ誌面を見て選んでもらったり、長らく紙をベースにして業務が行われていたんです。発注関係ではファックスもよく使っていました。
小田
膨大な紙ファイルの量に入社当初は驚きました。年々社内の保管場所を埋め尽くしてゆくような状態でしたね。そうした点を解消するべく、ペーパーレス化も念頭においてシステムをつくり上げました。
Talk Session 2.
現場業務における
効果について
システムを使うことで、ウェディングプランの仕事はどのような変化がありましたか?
赤坂
お客さまとのやりとりがよりスムーズになりましたね。結婚式に関するさまざまな打ち合わせや確認事項を、LINEなど汎用性の高いアプリを使えるようにしたシステム上で行うことで、お客さまと手軽で頻繁にコミュニケーションできるようになりました。
小田
それは狙った通りで嬉しい限りです。具体的にはどんな風に役立っていますか?
赤坂
たとえば、式場の花の装飾について外部のフローリストとお客さまに直接打ち合わせていただき、その情報をすぐに確認できたり。さらに、決定したお花や引き出物、音楽の演奏者などの手配も、システムを介して素早く発注できるようになっています。とにかくスピーディに仕事がはかどるようになりました。
小田
でも最初は現場も戸惑いもあったかと思います。
赤坂
そうですね、システム導入が決まった当初は、ブライダル現場に従事するスタッフ一同、慣れるかどうか心配がありました。しかし、システム部の担当者が導入初期からしっかりと使い方をレクチャーしてくれましたし、わからないことがあればチャット機能ですぐに質問でき回答を返してもらえたので、間もなく不安はなくなりました。
小田
それはよかったです。システム部としてもやはり実際に現場で使用されてからの気づきも多かったので、皆さんからの疑問点やご意見は改善の大きなヒントになっていました。
赤坂
今も毎月一度、システムの改善点を話し合う現場ミーティングが開かれていますよね。システム部の皆さんにその都度改修を施していただいています。お客様の声、現場の意見をもとによりアップデートいただいておりますので、さらに誰にとっても使いやすいシステムができるのが待ち遠しいです!
小田
期待に応えられるように部門一同頑張っていきたいですね。
ブライダル業界全体として、そのように自在にシステムを活用している会社は多いのですか。
赤坂
ウェディングの関連業務を部分的にシステム化して活用している会社はあるようですが、業務をトータルにカバーしつつお客さまも簡単に使えるようなシステムになっているのは、現状ではIKKだけではないでしょうか。
小田
そうですね、自社内にシステム開発の専門部署を有しているのも業界では珍しいほうだと思います。
Talk Session 3.
システムと利用の
展望について
IKKのシステム活用をどのように発展させていきたいと考えていますか。今後見込まれる効果を含めてお聞かせください。
小田
パソコンのOSになぞらえればIKKのシステムはまだ1.0が終わったばかりで、これから2.0に向けてバージョンアップしようとしている段階です。まだまだお客さまへのサービス・サポートでできることがたくさんあり、さらに挙式が終わった後にもシステムでさまざまなつながりを築いてゆける可能性があります。
赤坂
結婚式が終わった後のお客さまとのシステムを通してもつながることができるなんて、すごく楽しみです。
小田
ええ。もともと私は「お客さまとつながる」、「社員にパワーを与える」、「業務を最適化する」、「サービスの質を磨き上げる」という4つのテーマを掲げてIKKに入社しましたので、自社のシステムをさらに進化させてこれらを必ず実現させたいと考えています。赤坂さんはIKKのDX化にどんな期待をしていますか?
赤坂
今特に実感している効果は、システムによって結婚式の準備業務が格段にしやすくなり、その分お客さまに向き合う時間が多く取れるようになったこと。今後はウェディングコンセプトを創る仕事にもITの技術やプラスさればいいなと思っています。 たとえばAIを駆使して、さらによい結婚式をお客さまに提供したり。
小田
AI×結婚式とはおもしろいですね。さまざまな業界で注目されているAI技術も業界に先駆けて取り組んでいきたいですね。
赤坂
システムを使いこなしていくほど結婚式そのものや業界動向を自分たちで大きく変えられるような気がしていますので、その期待感に胸が膨らむばかりです。
最後に、それぞれのご担当分野を目指す学生さんたちに向けてメッセージをお願いします。
小田
システム部では入社後2カ月間のプログラミング研修をはじめ、その後のオンライン学習やOJTでしっかりとシステムを学んでいただく教育体制を整備しています。ITに特に慣れていない人でも1年ほどが過ぎればしっかり開発ができるようになるので、安心して応募してほしいと思っています。
赤坂
私が携わるウェディングプランナーは、お客さまや協力会社をはじめ、システム部や食品事業部など自社の他部門とのつながりを深く体感できる仕事です。関わる方々が多いポジションだからこそ、考え方・価値観にも触れることができます。ですので、結婚式を創ることに興味を持つ方はもちろん、自分を成長させたいという方も、この仕事をすることで、より良い人生を歩むことができるのではないでしょうか。